ネパールの脳神経外科発展におけるAANIの役割
広島大学付属病院神経学科在籍
プラビン・シュレスタ
AANIはネパールの脳神経外科の世界ではおなじみの名前となっています。過去10年以上にわたり、ネパールの脳神経外科の発展に直接的、間接的に関わってきました。AANIの全ての関係者に対して敬意を表したいと思います。
第1回ネパール日本脳神経外科会議はすでに歴史となりました。第2回会議は、ネパールのベテラン脳神経外科医であるバサント・パント博士の議長としてのリーダーシップと大変な努力、そしてAANIの無限のご支援により開催されました。第2回会議はネパールと日本の脳神経外科医が情報を共有する機会となっただけでなく、二者の関係を強化し、将来的な相互協力・共同の可能性を開きました。
世界脳神経外科学会(WFNS)の副学会長であるアルビーノ・ブリコロ・ベロナ大学(イタリア)教授や同じくWFNSの副学会長である神野哲夫教授の積極的参加に裏付けられるとおり、会議はWFNSの後援を得て開催されました。さらに、北海道から鹿児島まで日本列島を網羅する地域から多数の脳神経外科医の参加を得て、会議は事実上、日本の脳神経外科のコミュニティ全体の後援を受けていました。約20人の脳神経外科に加え、AANIの役員や支援者らや5人の参加を得ました。広島大学病院の栗栖教授とAANIの渡部朋子・副会長については日本からの多数の参加者のグループを引率してくださり、感謝申し上げます。その他、インドのムンバイから二人のベテラン脳神経外科医が、シンガポール、インドネシアからそれぞれお一人が参加されました。
会議のもう一つの成果としてはネパールの参加者のことがあります。脳神経外科医のみならず、神経科医や精神科医、さらには一般の内科・外科医師など、脳神経外科の患者の管理に大きく貢献する異なる医療分野の医師が多数、参加したのです。すべて合わせるとネパール国内からは約40人の参加がありました。
会議は2006年9月22、23の両日、ネパール西部のポカラという美しい町で開催されました。
第2回ネパール日本脳神経外科会議はAANIのネパールに対する積極的支援の一つの実例です。ネパールで同様の活動が今後もずっと継続できることを私たちは希望しています。AANIがネパールに差し伸べてくれているもう一つの偉大な支援としては、主として癲癇や機能手術、神経血管ならびに複雑な脳腫瘍手術など、ネパールの脳神経外科医だけでは困難な様々な脳神経外科医術を実施するために日本の脳神経外科医をネパールに派遣していることです。これによって患者が恩恵を得ているばかりでなく、多数のネパール人脳神経外科医が最新の脳神経外科医療を学ぶ機会を得ることが出来るのです。これは費用的にもネパールから外国に脳神経外科医を派遣するより効率的であり、いい方法です。ネパールでは「被訓練者の輸出ではなく、指導者の輸入」と呼んでいます。AANIによるこうした形の活動ならびに支援はまだ何年も必要とされると考えています。同時に、ネパールの脳神経外科医が国際会議への参加を通じて脳神経外科の国際的なコミュニティに溶け込むことも同様に重要です。AANIがこうした分野でも支援してくださればネパール側の今後の発展にとって大きな力となるでしょう。
私たちとしては、AANIの若い世代を中心とした、これまでとは別の世代のメンバーに今後の活動を支えていただくべき時期が来たのではないかと感じています。AANIの若い日本人脳神経外科医の協力を得られるよう私自身も努力していきたいと思っています。 |