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バサント・パント 先生 報告
9年ぶりのネパール

AANI副会長
渡部 朋子

  1997年1月にネパールを訪問してから9年の歳月が経ちました。翌年の1998年には、先のAANI会長松井五郎氏が亡くなられました。後を引き継いで下さった森信秀樹会長と共に、『ネパールの脳神経外科医療への技術教育支援』を使命としコツコツと活動していこうと、今日まで手探りで続けてまいりました。このたび、第2回ネパール日本脳神経外科学会に参加することができ、各講演の充実ぶりや、ネパールの若い次世代の先生方の意欲的な姿に接し、言葉にならないくらい感動し、私自身にとりましても忘れることの出来ない人生の記念日となりました。
政治的、社会的に困難な状況下にあるネパールで、私たちの想像を絶する苦労と努力があったと推察します。また想定を越えた医療を取り巻く環境変化の中で柔軟に適応しつつ、今日のネパールの脳神経医療の基礎を築かれた、バサント・パント医師、ネパールの先生方、若い看護師の皆さんに、深い尊敬の念を感じます。ネパールから多くを与えられ、学ばせていただいた10年余りのAANI活動の日々でした。この節目のときに、ネパールと日本の脳神経外科医療を介して築かれた人々の「友愛」と「信頼」をさらに発展させ、次世代へ引き継いでいき、両国の脳神経医療がさらに充実していくために、AANIは何をしていけばよいのか、今立ち止まってしっかりと考えて行動していきたいと思います。
また、ポカラのマニパル医科大学病院、カトマンズのカトマンズモデル病院、ノルビック病院において、「ヒロシマ」についての講演機会を得ました。若い医学生や先生方が熱心に耳をかたむけ、原爆被害のみならず今日の世界に平和をもたらすための医療関係者としての役割を真剣に考えてくださったことも印象的でした。
学会終了後3日間ポカラに滞在し、30年以上ポカラで障害児のために働いていらっしゃる大木神父やシスター川岡にお目にかかりました。献身的にネパールの人々のために働かれ、共に生きていらっしゃるお二人から多くのことを学びました。ポカラを離れる日の朝、学会期間中は天候が悪く見えなかったヒマラヤの山々がその美しい姿をのぞかせ、あまりの神々しさに息をのみました。その時、アンナプルナの山々が私たちに「いつもあなた方を見守っている、そして、あなた方の前に道を示している」と語りかけてくれたように感じ、「またネパールを訪ねよう」そう思いながら帰国の途につきました。

ネパールの若いドクターと看護師さんたち
大木神父、シスター川岡とともに